ナレッジマネジメントとは、個人の知識やノウハウを組織全体で共有・統合し、パフォーマンスを効率的に発揮させるための組織的取り組みのこと。文書として整理された形式知だけでなく、経験則や個人的教訓などの「暗黙知」についても管理対象に含める。
ナレッジマネジメントの導入・推進により、組織の生産性向上、業務品質の向上、個人的スキルの向上、イノベーションの促進等が期待できる。
ナレッジマネジメントのためのプロセスおよびそのプロセスを継承する組織文化・環境・システムが必要である。
テーラリング(Tailoring)とは、組織が規定するプロジェクトマネジメントプロセスや開発標準などをプロジェクトの規模や特性にあわせて手直しし、実用的なプロジェクト標準(作業手順・成果物テンプレート・ツール・部品)としてカスタマイズすること。
組織が規定する標準をそのまま実際のプロジェクトに導入しようとすると、かえって管理が煩雑になり、作業効率が低下する恐れがある。このとき、組織が規定した標準をプロジェクトの規模や特性に応じてカスタマイズしたり、作業プロセスやルール、作業成果物のテンプレートなどを補完することで標準の実用性を高めることを標準のテーラリングという。
あるプロジェクトにおいて効果的・効率的であると認められたプラクティス(プロセス・テンプレート・チェックリスト等)を組織の標準に反映し、その標準をテーラリングして次のプロジェクトに適用することで、組織におけるプロジェクトマネジメント能力の底上げが期待できる。このとき、テーラリングは「テーラリング指針」という組織が規定する統一基準に従い実施することが望ましい。
埋没コスト(Sunk Cost)とは、すでに支出しており、回収不能なコストのこと。
過去に投じたR&D投資やソフトウェアの開発費などがこれに該当する。
例えば、プロジェクト追加投資の可否を判断する際には、将来見込まれる費用便益を基準に判断するべきであり、回収不能な埋没コストを意思決定の材料に含めることは合理的ではない。しかし実際の意思決定においては、心理的な阻害要因となる。「すでに10億円をシステムに投資したのだから、今さら中止することはできない」といったことである。
ベストプラクティス(Best Practice)とは、実務活動に従事する多くのプロフェッショナルにより認められた最も効率的で効果的な作業の進め方・プロセス・技術である。最良慣行と訳すこともある。ベストプラクティスに従い作業を行えば、問題の発生を抑制しつつ、期待する結果を得ることができる。標準化活動においては、組織の内外で認められたベストプラクティスに基づき、標準を整備・改善し、導入を推進することが重要である。
前提条件(Assumption)とは、確実であるとの確証はないが、正しいと想定した仮の条件。
例えば、プロジェクト予算を獲得するために、概算見積をスポンサーに提示し、プロジェクト着手に向け、スポンサーの承認を得なければならない局面があるとする。このような局面において、要件は通常確定していない。そのため、正確な見積を期待することはできない。しかしそのような状況下でも、見積の妥当性をスポンサーに説明するために、ある一定の見積根拠を示す必要がある。そのためには、それまでの検討経緯から、確からしいと想定されるベースライン(機能要求・非機能要求等)を仮に設定した上で、見積もることが有効である。この際、仮で設定した見積のベースラインを見積前提条件という。変更管理プロセスを通じて、見積前提条件の変化が許容限界を超えていないか注意深くモニタリングすることで、予算超過のリスクを早期に発見することができる。