進捗管理

PMOボランチ論

Posted by K.K-a on 2月 19, 2010
その他, プロジェクトマネジメント / 1 Comment

私が愛して止まないサッカーというスポーツには、「ボランチ」というポジションがある。
日本では「中盤の底の選手(守備的MF)」のことを指す。

位置的には守備寄りとされるが、ボランチのミッションは守備に限らず多岐にわたる。
最も重要な役割は「チームの生産性を上げ、ゲーム全体をコントロールすること」、つまりゲームマネジメントだ。
現代サッカーはいまやこのボランチの出来で勝敗が決まるといっても過言ではない。

これはプロジェクトマネジメントにおけるPMOにも当てはまる点だと言えよう。
PMOはプロジェクトのQCDに貢献することを求められるが、
同様にボランチにも言わば「ゲームのQCD」に貢献することが求められるのだ。

Quality:チーム全体のプレー品質を上げる。(指示出しやバランスコントロール)
Cost:最小限の人数と労力で、ボールを奪い点を取る。
Delivery:90分という限られた時間内で結果を出す。

ボランチを考えることでPMOとして何か新しい気づきは出来ないだろうか。
考察してみよう。

1.ボランチの意味
 そもそもボランチとはポルトガル語で「舵を採る」という意味だ。
 文字通りボランチにはチーム全体の舵を採りゲームをコントロールすることが要求される。

2.ボランチが必要とされてきた背景
 これまでのサッカーは、ペレやマラドーナ、バッジョなど、チームに一人
 すごい人=スーパースターがいて、その人が最終的に点を取りどうにかしてくれた。
 もしくは、体の大きい選手が前線に構えてセットプレーで無理やり点をとるというやり方が主流だった。

 しかし、時代が経つにつれ全体的なプレー技術の向上と、基本戦術の確立、
 各ポジションに求められるアウトパフォーマンスの増大、さらには欧州を中心とした
 ビッグビジネス化の動きが始まったことで選手全員が「スーパースター」になった。
 このような状況下で勝ち続けるということは逆に難しくなっていったのである。

 そこでより求められてきたのが、特定の個人に全てを任せるのではなく、
 各メンバが有機的、流動的に連携し局面局面で数的有利を作り相手を崩すというスタイルだ。
 このスタイルを確立するために、ボランチというポジションがよりフォーカスされた。
 攻守の要であるボランチが起点となり各メンバのパフォーマンスを最大限引き出すのだ。
 そこには前提としてチーム内に明確な「ルール」と「ビジョン」がある。

3.ボランチの役割
 ここでボランチの役割をプロジェクト管理に照らして整理してみよう。

 ①ゲーム状況、ペースやバランスのコントロール:進捗管理
 →ボランチはゲームの状況を把握することが不可欠だ。スコアと時間帯、味方のスタミナ次第で
  戦い方が変わってくるからだ。ペース配分やフォーメーションの偏りなどを誰よりも意識し
  ゲームをコントロールしなければならない。

 ②攻守に行き詰ったメンバーのフォローアップ:課題管理
 →味方が攻守に行き詰れば、いち早くフォローアップをしなければならない。
  ボランチが率先してボールをもらいに行き、局面打開のための有利な形を作る。
  起点になることで味方が攻めやすい、守りやすい形を作ってやるのだ。

 ③早期のリスク発見と潰しこみ:リスク管理
 →ボランチはボールのある場所だけを見ているだけでは勤まらない。
  ボールの無いオープンスペースこそ危険ゾーンであるからだ。
  ボランチはそこをいち早く察知し、リスクを潰す。

 ④ボール供給の起点となる:コミュニケーション管理
 →攻守の切り替えはボランチから始まるのが望ましい。FWが攻め手を欠けばボランチが
  一旦ボールを預かり仕切り直す。DFが前線へボールを供給したがっている時は、
  ボランチを経由することで途切れるリスクの少ないパスを送ることができる。
  ボールを「情報」と例えるならば、これは「コミュニケーション管理」に通ずる。

 ⑤ルーズボールのキャッチアップ:進捗、課題管理など共通
 →味方や相手に当たってルーズボールとなった場合、ボランチはいち早くキャッチアップする。
  ルーズボールの放置は即失点につながるからだ。また、いち早く拾うことで
  逆に攻撃のチャンスも生まれるのだ。ボランチはルーズボールを拾うことを躊躇してはならない。

どうだろうか。このようにして見ると、ボランチに求められる役割はPMOに求められる役割や姿勢に多くの共通点を見出せる。
いずれにしてもそれぞれに必要なのは、基本技術の高さと冷静な状況判断力、タフな体力・精神力、
そして何よりチームからの信頼だ。皆さんはどのように捉えただろうか。

今後もプロジェクトの成功に向けて、PMOとして”ボランチ”していきたいものである。

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PMOの現場から

Posted by T.U on 8月 07, 2009
プロジェクトマネジメント / No Comments

プロジェクト内の各チームから進捗状況を報告してもらう進捗会議は、プロジェクトによって、そしてプロジェクトの工程によって、その内容は様々だと思います。進捗会議の運営はPMOとしての基本的かつ重要な役割の一つだと思っています。今回は私が参画しているプロジェクトで、毎回各チームに記入してもらっているステータスレポートについて紹介したいと思います。

私が参画しているプロジェクトでは、各チームにWBSや課題一覧表と共に、定量的な情報と定性的な情報で構成されるステータスレポートを毎週書いてもらっています。進捗会議は基本的にこのステータスレポートに沿って進行します。

定量的な情報は、①タスクの着手、完了数のそれぞれの予定と実績、②遅延工数とリカバリに要する日数、③解決、未解決の課題数の三つを基本に、先週分と今週分の情報から成っています。この基本情報に加え、工程毎にステータスレポートのフォーマットを見直し、必要な情報を提供してもらいます。例えばテスト工程では、目標障害件数や発見障害件数といった情報がそれに当たります。

数値情報はそれ自体よりも、比較することによってその意味が良く分かってきます。基本的には予定と実績、先週分と今週分、それぞれの変化に着目し、その都度確認しながら会議を進めます。例えば、予定完了タスク数に比べ実績数が芳しくない場合は、何か課題があるではと捉え、逆に予定に比べてあまりにも実績数が多い場合は、前倒しで作業を進めているのか、もしくは予定の立て方自体がおかしくはないか、といった具合です。

定性的な情報としては、実際に行った作業内容の概略と、そして遅延作業についての原因とその対策などについて見解を記述してもらいます。

この定性的な情報を判断する際に、私は三つのことに留意するようにしています。一つ目は、客観的に第三者的な立場で考えることです。しばしば、報告者の話し方であったり、○○さんがそう言うなら大丈夫だろうなどと安心してしまいがちですが、ここではあくまで客観的に定性的情報の論理性について確認します。二つ目は、遅延作業について、その原因ばかりに着目せず、どうすれば遅延を取り戻せるか、解決策に焦点を当てるように心がけています。もちろん原因分析も重要ですが、原因分析で満足し実践までたどり着かないことが多いため、解決方法をより具体化することに注力した方が、結果的には生産的ではないかと感じています。最後は人を観ることです。客観的に判断することとは相反しますが、歯切れの悪い説明だった場合など、進捗会議後にそれとなく状況を聞いてみると、「実は・・・」といった話が聞けたりします。

進捗会議に掛かる時間と労力は少なくないはずです。私はステータスレポートを使うことにより、効率的にそのチームの状況を把握できるように努めています。

そして進捗会議が参加者全員のベクトルをプロジェクトの成功という方向に揃え、モチベーションを高められるような、生産的な場になるよう今後も努めていきたいと思っています。

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