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社員ブログ

スマートウォッチとPMO

2017.06.29

T.I-a


スマートフォンで有名な米系企業が、わたしたちの1日のアクティビティを詳細に計測し分析してくれる腕時計を発売して数年が経ちます。

歩いた歩数を計る万歩計はこのスマートウォッチのずっと前から存在していましたが、万歩計を日常的に使っていたのは、スポーツ自体を楽しみとする若い世代よりも、健康維持を目的とした一部のシニア層が中心だった様に思います。
万歩計は、これから体の為に運動を始めようとしている、または既に日常的にしている、健康に対する「意識の高い人たち」がユーザでした。

スマートウォッチは、アクティビティの測定以外にもスマホと連携したコミュニケーション機能や支払い機能といった、私の年代が子供の頃思っていたSFの世界の様な機能をパッケージにしています。
しかしこの製品が世の中に与えた一番大きなインパクトは、これまで実行に移すほど健康維持に興味や必要を感じていなかった人たちが、他の動機で購入したスマートウォッチをきっかけにエクササイズを始めたり、健康管理を意識する様になった事ではないでしょうか。
求められたから製品を作ったのではなく、製品が人々の新たな関心事を作ったと言えるでしょう。

唐突に聞こえますが、この話は私たちPMOのお仕事のヒントになるような気がしています。

シニアマネジメントなど、比較的「意識の高い」管理側のPMOへのニーズを見つける事はそれほど難しくはなく、そのニーズに沿った管理系PMOサービスの導入は確かに一定の効果を得られると思います。

しかしそういった意識の高い組織のリーダー達は、いくら管理をしても、多様な考え方、経験、個性、時に言語や宗教観までを持った集団のパフォーマンスをどうしたら最大限に引き出せるのか日々頭を悩ませ続けているのが現状です。

それを解決するには、組織のゴールになど興味のない人々も含め多様性に富んだ現場を巻き込み、自発的に参加させてしまう何かが必要です。
管理されているから実行するのではなく、バラバラな一人一人が同じゴールに関心を持って推進力となれば、組織はよりスピード感をもって成長して行けるでしょう。

スマートウォッチはユーザの生活態度を管理しているのに、進捗管理に来たPMOの様に嫌われてはいません。また、ユーザは何時からか「自分が」コントローラーであるという自覚を持ち、最終的にはこれまで関心の低かった事を自ら実施するようになりました。

実際は機械と生身の私たちや、個人の生活の管理と様々な制約のあるプロジェクトを比較しても直接的な方法論は見つからないかもしれませんが、お客様組織のオーナーではない私たちは、あからさまなリーダーシップを見せて現場を牽引する立場にはないことも多く、この一見控えめなサポートがここまでの効果を発揮出来ることはとても面白いなと思います。

引き立て役や人々の間の触媒として、PMOという立場から、お客様の組織を活性化できたら、また新しい価値を評価頂けるのではないかと改めて模索のきっかけとなりました。

プロファイル:

就職氷河期と言われた時代、ITバブルも崩壊直前にアルバイト先の外資IT系スタートアップに拾ってもらいめでたく社会人をスタート。
同社の早々の日本撤退を機に、会社がなくなっても生き残れるよう手に職を、と技術系SEへ転身。当時流行りのブラック企業も体験し、やがて世界的な技術者オフショア化の波にさらわれるまま語学とSIer経験を生かしたブリッジコンサルタントとして6年従事。その後海外での就労・主婦業などの漂流を経て2016年MSOLへ入社。
移りゆく世の中に翻弄されながら今日まで生き延びる事が出来たのは、何かとありがたい限りです。

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