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数字で人を動かし、組織を変えろ! 異文化も乗り越える「KPIマネジメント」の勧め

2017.10.05

K.M-d


皆さんの中には、以下のような悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

【悩み】
・トップの意思決定が現場に理解されず、現場が戦略に従って動いてくれない
・現場の状況が見えないため、適切な意思決定を下せない
・頑張って改善に取り組んだものの、結局、効果がどうなったのかはっきりせず、メンバーの改善への意欲がなくなってきた
・お客様や上層部から、マネジメント支援の効果を示せと言われたが、定性的な効果しか示せず、定量的に効果を示すことができない
・国内のロケーションが離れている部署や、海外の関係部署に、こちらの要望をうまく伝えられず、プロジェクトや改善が進まない
・計画や標準、ルールを策定したものの、みんなが守ってくれない
・やるべきことはいろいろあるけど、どれからやるべきなのか優先順位が分からない

もしも、上記の悩みに1つでも当てはまるようであれば、是非、「KPIマネジメント」の導入を検討してみてください。

■ KPIマネジメントとは
「KPIマネジメント」とは何でしょうか。「KPIマネジメント」とは、下記に示すKGIやKPIといった指標を活用して、対象とする組織や業務、プロジェクトの状況を定量的に可視化し、効率的に組織マネジメント、プロジェクトマネジメント、改善を進めていく手法のことです。

KGI: Key Goal Indicator の略称で、「重要目標達成指標」と呼ばれます。
最終目標の達成度合いを計るための指標。これが改善されなければ目標達成したと言えないものです。

KPI: Key Performance Indicatorの略称で、「重要業績評価指標」と呼ばれます。
KGIを達成するための過程がどうなっているかを計るための指標。あるKPIを改善しようとすると他のKPIが悪化することもあり得る(例:レビュー強化により検出数増加⇒後工程での品質向上)

■ 「KPIマネジメント」の導入事例
実際、どのようにこの手法を使うのかを、過去の事例を交えてご紹介します。

【事例1】
・海外の無線通信インフラベンダーのケース

<状況>
日本市場に参入したものの、海外とは大きく異なる日本の大手キャリア・ユーザー特有の品質に対する厳しい要求に応えられず苦しんでいました。
理由は、大手キャリアのトップから改善要求があるものの、なにを改善すれば良いのかが理解できなかったのです。
そのため、思うように品質改善が進んでいませんでした。

<改善策と結果>
日本側が考える品質とは何なのかを、複数の指標として定義し、その定義と現状を表す数字、他ベンダーとの比較結果をお客様からベンダーに説明し、両社で継続的に改善策の進捗状況とKGI・KPI結果をモニタリングしていくようにしました。
これにより、ベンダー側の開発トップだけでなく、海外の複数拠点に分散する千人以上の開発メンバーも、日本から要求されている品質を明確に理解することができ、具体的な改善アクションの検討や改善につなげることができました。

【事例2】
・国内製造業のケース

<状況>
マネジメントツールを導入し、各種マネジメント標準を定めたものの、ツールを活用したマネジメントの定着がほとんど進んでいませんでした。
主な理由は、トップの意思とツールを活用することのメリットが、現場にうまく伝わっていなかったためです。

<改善策>
トップが現場に期待することをKGI・KPIとして定義し、戦略・目的・目標とセットで現場へ説明しました。
また、トップ向けのKGI・KPI報告書と現場向けの詳細情報提供を同時に開始することで、改善の進捗状況の定量的な可視化を行いました。
これにより、トップが現場の状況を明確に把握し指示することが可能となったため、現場ではトップに見られているという緊張感が生まれ、定着が大きく進みました。
また、現場のリーダーがメンバーをマネジメントするための情報がKGI・KPI報告書とセットで提供されるようになったため、報告書で明らかになった弱点部分について、具体的な改善アクションを取ることができるようになりました。

事例紹介は以上です。

それでは、次に、「KPIマネジメント」の導入ステップについて、簡単ではありますがご説明します。

【KPIマネジメント導入ステップ】
・あるべき姿・目的の明確化と重要成功要因特定
・KGI/KPI定義(KGI/KPIの目的、データ取得方法、計算式、是正措置オーナー、是正措置等)
・データ収集・データ集計方法の設計・集計ツール開発
(高速にPDCAを回すためにはExcelの活用がお勧め)
・分かりやすい報告書(マネジメント層向け、現場向け)の検討
・データ収集・報告書の作成を行う組織体制構築
・PDCAを回すためのプロセス・体制整備
・上記について、マネジメント層・関連部署との合意
・運用ルール・マニュアルの整備
・集計ツールの保守運用プロセス・体制確立
(導入進むと、ツールが複雑化していく傾向があります)

【「KPIマネジメント」活用時の注意点】
「KPIマネジメント」を活用する際の注意点についても、いくつか述べておきます。

■ 上位の戦略や「あるべき姿」との整合性
いくらKGI・KPIを明確に定義し結果を収集したとしても、それが上位の上位の戦略や「あるべき姿」を実現できるものでなければ、まったく意味がありませんし、現場のメンバーにもKGI・KPIを達成しようというモチベーションが生まれません。KGIやKPIを達成するために大きな影響を及ぼす重要成功要因(CSF)をしっかりと洗い出し、それに基づきKGI/KPIを設定していきましょう。

■ ベースラインの確定
皆さんが取り組んだ改善などの施策によりKGI・KPIが良くなったかどうかを判断するためには、開始前のデータをベースラインとして、ベースラインと開始後のデータを比較する必要があります。
後になってしまうとベースラインのデータを取得できない場合もありますので、必ずベースラインデータを取得するようにしましょう。

■ 透明性の高い公平な運用
KGI・KPIの定義が曖昧であったり、公平でないと感じられてしまうと、トップや現場に受け入れてもらうことができません。
明確な定義のもと、高い精度のデータを基に「KPIマネジメント」を活用していくことが必須です。

■ 罪を憎んで人を憎まず。
弱点部分が明らかになると、トップは指標が悪い部署を責めたくなるかもしれません。
しかし、そのような行為は絶対に止めましょう。責めるようなことを続けると、現場において「KPIマネジメント」に対する拒否反応がおきますし、悪い情報を隠そうとする体質になります。
ですから、指標が悪い根本原因を特定し、改善させることにフォーカスしましょう。

■ 全体最適志向のKGI・KPI設定
例えば、各部署のコスト削減をKGI(最終目標)として設定してしまうと、部署間でコストの押し付け合いという対立が生まれ、改善が進みません。
組織全体が自然に一丸となって改革・改善に取り組めるような指標を設定しましょう

■ 血の通ったKPI運用
KPIを導入すると、このような厳しい指標ではやっていけない、どのように達成すれば分からない等、こういったケースはどうするのかなど、様々な要望・クレームが上がってきます。
そういった現場の声に真摯に耳を傾け、丁寧に対応していってください。

【最後に】
「KPIマネジメント」導入・定着は、一見簡単そうに見えてなかなか難しいものですし、「KPIマネジメント」だけですべてが解決する訳ではありません。
しかし、いろいろな困難を乗り越えて、「KPIマネジメント」が定着していくと、
戦略やあるべき姿の実現に向けて、組織全体が一丸となって進むことができるようになるという素晴らしい効果があるのは間違いありません。

また、これを行う皆さんも「やりがい」や「達成感」を持つことができます。
実際、私の支援している現場のMSOL若手メンバーも、「KPIって面白いですね」とつぶやいていましたし、お客様からも、「この報告書が重要になってきているんですよ」や、「いやーっ、この情報は凄いですね!」
などと仰っていただき、本当に励みになります。

このブログを読んで「KPIマネジメント」に興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

 

プロフィール:
国内大手通信キャリアにおいて、各種業務改革プロジェクトを推進。
その後、海外の無線通信インフラベンダーにおいて、グローバル開発部門と連携し品質改善プロジェクトをPMO的立場で推進し、高品質な開発体制の確立を実現。
現在は、国内製造業の組織支援型PMOリーダーとして、データを活用したKPIマネジメントの導入と、それを生かしたマネジメント定着を支援している。

以上

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